
患者さんのお薬の数が多かったり、飲み方が複雑で患者さんの理解が難しかったり、心身の特性により錠剤等を直接シートから取り出すことが困難な場合など、お薬をシートから取り出して朝食後・昼食後・夕食後のように服用時点ごとにまとめるのが一包化です。
当然、手間のかかることですのでお会計は発生します。
本日は一包化加算についてまとめてみました。事務員の方もレセコン登録する際に知っていなければいけない一つだと思います。私なりにわかりやすくまとめたつもりですので、参考にしていただければと思います。
一包化するには(重要)
一包化は「希望すれば誰でもできる」というものではなく、治療上の必要性がある場合に行うのが原則です。
そのため、基本は2つ
- 医師の指示(処方せんへの一包化指示)
- 医師の了解が確認できる記録(疑義照会など)
が必要になります。
処方せんに記載がない場合は?
処方せんに「一包化」の記載がない場合は、原則として 疑義照会で医師に確認してから行うのが安全です。

医師の指示がない一包化はどうなる?
「ただ面倒だから一包化してほしい」など、治療上の必要性がないケースは、保険算定できません。
✅ 保険外(自費)対応になります。
自費の金額は薬局で設定できます。
(例:7日ごとに100円、など)
✅ 一包化加算の算定要件(わかりやすく整理)
一包化加算は、
服用時点ごとに一包化を行った場合に、内服薬の投与日数に応じて算定できます。
算定対象になるのは?
以下のどちらかを満たす必要があります。
- 2剤以上の内服薬を一包化している
- 1つの服用時点に3種類以上の内服薬が入っている
✅ 点数
- 42日分以下
→ 投与日数が 7日(またはその端数)ごとに34点 - 43日分以上
→ 240点
※「7日またはその端数」は、例えば 1日でも7日分としてカウントされます。
✅ 一包化加算のポイント
① 処方せんの受付「1回につき1回」算定
一包化加算は、基本的に 処方せん受付1回につき1回です。
(1処方せん内で複数回は基本ありません)
② 条件を満たしている必要がある
「一包化指示がある」だけではダメで、
2剤以上または1服用時点3種類以上が必要です。
③ 自家製剤加算・計量混合調剤加算は同時算定に注意
一包化加算を算定した内服薬に対しては自家製剤加算・計量混合調剤加算が**同時算定できない(原則)**ので注意です。
ただし、一包化の対象になっていない調剤行為に対しては算定できる場合があるので、下記の一包化加算の例を参考にしてください。
④ 同一医療機関の複数科の処方せんを合算できる場合がある
同一医療機関のA科とB科の処方せんを同時に受付、個々の処方せんでは算定要件を満たさないが、2枚の処方せんを併せれば算定を満たす場合は算定可能です。
✅レセプト摘要に「同一医療機関・同日受付・同時に一包化した」などを残す。
一包化加算の例
一包化加算の例になります。私なりにわかりやすくまとめてみました。文章だけだとわかりにくいですよね。
処方例①
メコバラミン500 3錠 毎食後
アムロジピン5 1錠 朝食後
まず、一番の基本として2種類の飲み方を一緒にした場合は2種類の飲み方があるので、この場合は一包化加算を算定できる
処方例②
アムロジピン5 1錠 朝食後
アトルバスタチン5 1錠 夕食後
❌️2種類の飲み方ではあるが、朝食後と夕食後のように服用時点がかぶらない場合は算定できない。
処方例③
ピオグリタゾン15 1錠 夕食後
エクア50 1錠 夕食後
アムロジピン5 1錠 夕食後
この場合は飲み方が1種類しかなくとも3種類以上のお薬を一包化すれば算定できる。
処方例④
プレドニゾロン1 3錠 朝食後
プレドニン5 1錠 朝食後
❌️1剤で3種類以上の内服薬なので同じ薬が何錠あろうとも1種類と数える。全部で4個あるが薬は2種類しかないので算定できない。
処方例⑤
アムロジピン5 1錠 朝食後
エクア50 1錠 朝食後
ピオグリタゾン15 1錠 朝食後
ゾルピデム5 1錠 就寝前
一つの飲み方で3種類以上入っているので、飲み方は重複していなくても算定できる。
処方例⑥
原則 一包化加算を算定した場合においては、自家製剤加算及び計量混合調剤加算は算定できないものであること。
トラネキサム酸250 3錠 毎食後
カルボシステイン250 3錠 毎食後
ポララミン2 1.5錠 毎食後
3種類以上なので一包化加算を算定できる。ここでポララミン錠は1回0.5錠なので、半錠にするため通常は自家製剤加算を算定できるが一包化にした剤に含まれるときはこの自家製剤加算は算定できない。
処方例⑦
補足 一包化加算を算定した剤については、自家製剤加算や計量混合調剤加算は算定できないが、一包化加算を算定していない剤(例:軟膏のミックスなど)に対して算定することは可能。自家製剤加算や計量混合調剤加算は1調剤行為に対して算定できる。
メコバラミン500 3錠 毎食後
レバミピド100 3錠 毎食後
ロキソプロフェン60 3錠 毎食後
ゾルピデム5 0.5錠 就寝前
ゾルピデムは飲み方がかぶっていなく一包化算定の対象にはなっていない。一包化に対象となっていない薬剤に関しては自家製剤加算を算定することができる。計量混合調剤加算も同様に算定できる。
処方例⑧
メコバラミン500 3錠 毎食後
レバミピド100 3錠 毎食後
ロキソプロフェン60 3錠 毎食後
ムコダインDS 3g 朝夕食後
ムコソルバンDS 3g 朝夕食後
処方例⑦とは異なり飲み方に重複があるので一包化加算を算定して、計量混合調剤加算は算定できない。
処方例⑨
ムコダインDS 3g 朝夕食後
ムコソルバンDS 3g 朝夕食後
アスベリン散 3g 朝夕食後
散剤だけの時は一包化加算と計量混合調剤加算どちらをとるか。全てが粉薬で3種類以上を混合して毎食後で分包したら、一包化加算の算定要件を満たす。しかし、このような場合は通常は計量混合加算のみ算定する。ただし、一定の条件を満たすと一包化加算の算定することも可能
処方例⑩
A病院
B科 アムロジピン5 1錠 朝食後
ピオグリタゾン15 1錠 朝食後 (一包化指示)
C科 レバミピド100 3錠 毎食後
ロキソプロフェン60 3錠 毎食後 (一包化指示)
同一医療機関のB科とC科の処方せんを同時に受付、個々の処方せんに記載された処方はそれぞれ2種類ずつで算定条件を満たさないが、2枚の処方せんを併せれば、服用時点がかぶる2剤以上の内服薬となり、一包化を算定しても差し支えない。もちろん、処方せんどちらにも一包化指示があり、B科とC科を一緒に一包化していることがベスト。
処方例⑪
最近では、残薬調整する場面が多いと思います。このように残薬調整などで日数が異なる場合についてです。
カンデサルタン4 1錠 朝食後 28日分
フロセミド20 1錠 朝食後 28日分
エピナスチン20 1錠 夕食後 14日分
ラフチジン10 2錠 朝夕食後 21日分
エルサメット 3錠 毎食後 28日分
メコバラミン500 3錠 毎食後 28日分
算定要件は満たすが日数が異なる場合は少し複雑なので注意です。
この場合は、朝食後と毎食後で28日分(136点)、朝食後と朝夕食後で21日分(102点)、夕食後と毎食後で14日分(68点)の3つの点数別に分けられます。この3つのどこで一包化加算を算定しても問題はありませんが、一番高い28日分で算定するのがいいです。
処方例⑫
処方例⑪の毎食後の日数が7日分になったパターンの処方例です。
カンデサルタン4 1錠 朝食後 28日分
フロセミド20 1錠 朝食後 28日分
エピナスチン20 1錠 夕食後 14日分
ラフチジン10 2錠 朝夕食後 21日分
エルサメット 3錠 毎食後 7日分
メコバラミン500 3錠 毎食後 7日分
処方例⑪とは違い、朝食後と毎食後で7日分(34点)になります。朝食後と朝夕食後の21日分(102点)で算定するのがいいです。朝食後と朝夕食後の21日分で算定することはわかっているのに朝食後の28日分に一包化加算を算定してしまうミスが私の働く薬局でも多いので注意です。
一包化加算は、一包化を実際に行った内服薬の投与日数に応じて算定します。
残薬調整などで薬ごとに日数がバラバラな場合は、どの服用時点(朝・昼・夕など)をセットで一包化しているかによって、算定する日数が変わります。
つまり大事なのは、✅ 「一包化として成立している組み合わせ(服用時点のセット)」を基準に日数を決めることです。
よくあるミスは次の2つです。
- 一包化が成立していない日数で算定してしまう
- つい長い日数で算定してしまい、実際の一包化日数とズレる
ここを意識するだけで算定ミスがかなり減ります。
最後に
一包化加算は患者さんの服薬支援として大切な加算ですが、算定条件や点数は改定や疑義解釈で変わることがあります。
「一包化をした=必ず算定できる」ではなく、服用時点・薬剤数・日数の取り方まで確認して算定することが大切です。
私も薬局に就職してから加算種類の多さや算定忘れなどいろいろ苦労しました。算定忘れは薬局の収益に影響しますので取れるものは積極的に取りたいですよね。これからもみなさんに少しでも参考になれればと思いますのでよろしくお願いします。
以上になります。
どうぞ、ご参考にしていただけると嬉しいです。ご不明点やご質問などがありましたらコメント、お問い合わせからお願いします。その他、まとめてほしい内容や加算、薬局のことなど記事なしてほしい内容がありましたらお気軽にご連絡よろしくお願いします。
皆さんと調剤事務員としてステップアップできればと思います。
