こんにちは!あんでぃです。
令和5年4月開始の特例措置についてまとめました。調剤薬局では地域支援体制加算に条件次第で点数が上乗せされるようになります。
医薬品の安定供給問題を踏まえた診療報酬上の特例措置について
医薬品の供給が不安定な状況を踏まえ、地域医療への貢献の観点から、地域支援体制加算について、後発医薬品の使用促進を図りながら、保険薬局が地域において協力しつつ医薬品の安定供給に資する取組を実施する場合の評価です。この特例措置は令和5年4月から12月まで(9か月間)時限的に適用されます。
従来の地域支援体制加算の点数に『追加の施設基準』を満たすと、後発医薬品調剤体制加算1又は2の場合は+1点。後発医薬品調剤体制加算3の場合は+3点されます。
従来の点数 (追加の施設基準を満たさない) | 後発医薬品調剤体制加算1又は2 | 後発医薬品調剤体制加算3 | |
地域支援体制加算1 | 39点 | 40点(+1点) | 42点(+3点) |
地域支援体制加算2 | 47点 | 48点(+1点) | 50点(+3点) |
地域支援体制加算3 | 17点 | 18点(+1点) | 20点(+3点) |
地域支援体制加算4 | 39点 | 40点(+1点) | 42点(+3点) |
特別調剤基本料を算定している場合は80/100に相当する点数になります。
後発医薬品調剤体制加算については下記の記事をご覧ください
追加の施設基準
追加になった施設基準になります。
1.地域支援体制加算に係る届出を行っている保険薬局であること。
2.後発医薬品調剤体制加算に係る届出を行っている保険薬局であること。
3.地域の保険医療機関・同一グループではない保険薬局に対する在庫状況の共有、医薬品融通などを行っていること。
4.3に係る取組を実施していることについて当該薬局の見やすい場所に提示していること。
取組の例
・地域の薬局間での医薬品備蓄状況の共有と医薬品の融通
・医療機関への情報提供(医薬品供給の状況、自局の在庫状況)、処方内容の調整
・医薬品の供給情報等に関する行政機関(都道府県、保健所等)との連携
なお、特例措置は時限的なものであるが、上記のような地域における取組を促し、それを定着されるための措置であることを踏まえると、特例措置が終了した後でもこのような取組を継続して行うべきものである。
今回の特例措置のまとめ
・条件を満たせば地域支援体制加算に+1点又は+3点される。
・地域支援体制加算を算定していない薬局には関係ない。
・同一グループ以外の地域の薬局間で医薬品備蓄状況の共有と医薬品の融通が必要。
→薬局の在庫がわかってしまうことに対して少し不安がある。
→同じシステムを導入しなければならない。追加の導入費用がかかる。(Excelで自分たちで作る方法もあるがどこかの薬局で作るため負担になる)
→問屋さんへの急配などを地域の薬局間で対応できれば、問屋さんの負担が減り、助けられるのではないか。
・今回の特例措置は12月まであるが、定着させるための措置であるため12月以降も継続が必要。(次回の調剤報酬改定で追加になるかも)
疑義解釈(Q&A)
Q 今般の地域支援体制加算に係る特例措置において、「当該薬局の存する地域の保険医療機関又は保険薬局(同一グループの保険薬局を除く。)に対して在庫状況の共有、医薬品の融通などを行っていること」が施設基準として設けられているが、どのような取組がもとめられているのか。
A 施設基準でもとめられている取組としては、後発医薬品の使用促進を図りながら、地域の保険医療機関・保険薬局との連携の下で、薬局で必要な調剤をおこなうための情報共有や医薬品の融通、医師との処方内容の調整など、医薬品の安定供給に資する対応である。具体的には、地域の実情に応じて対応すべきものであり、例えば、次に掲げる取組が考えられるが、現下の不安定な医薬品供給の状況を踏まえれば、このような取組は、自薬局の周辺地域の保険医療機関や同一グループ以外の保険薬局と連携すべきものであり、地域における開かれた取組であることが求められる。また、この観点から、災害時の医薬品供給の対応のように、都道府県、保健所等の行政機関を介した情報共有等の連携体制に参加する取組も今回の対応として有用であると考えられる。
(事務連絡 厚生労働省保険局医療課 令和5年1月31日)
最後に
私自身、この特定措置の説明会に参加させていただいた時に、地域の薬局間での医薬品備蓄状況の共有に関しては大変だと感じました。皆さんが同じ在庫管理システムなどをいれなくてはならず、月1,500円〜6,000円の運用コストと導入費用数〜十数万円がかかるようです。
今回の特例措置は+1点、多くて+3点。処方せん枚数が月1,000枚の薬局では+3点で月3万円です。9ヶ月しかない時限的なものです。新たにシステムを導入して特例が終わった後の運用コストを考えると...
ですが、もし薬局半径10キロ以内の薬局の在庫状況を確認できれば、問屋さんへの急配や土曜日の配達など問屋さんへの負担は減ると思います。それに必ずしもシステムを導入するのではなく、その地域の薬剤師会などでExcelでまとめるのもありかと思います。
地域支援体制加算が取れていない薬局は気にしていないかもしれないですが、次回の調剤報酬改定では必須事項になるかもしれません。今からでも地域の薬局との連携を取っておくことは大切かと思います。
薬局や会社、地域によっては加算への考え方や解釈が異なると思いますが、少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。
ご不明点やご質問がありましたら、コメント、お問い合わせからお願いします。
皆さんと調剤事務員としてステップアップできればと思います。