調剤薬局

重複投薬・相互作用等防止加算

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皆さんは薬局でお薬を減らしたり、減らしてもらったことはありますか?

その時に実はお金がかかっているとこを知ってしますか?

今回はそんな時の加算「重複投薬・相互作用等防止加算」についてまとめてみました。

重複投薬・相互作用等防止加算とは

重複投薬・相互作用等防止加算は、重複投薬または相互作用(複数の薬品の飲み合わせによって効果が増強したり、薬の持つ効果が打ち消されてしまうこと)の防止の目的、残薬調整などを含めて評価されたものです。

重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件にあてはまらない場合もありますので、注意が必要です。

「残薬調整」って加算がつくの?高くなるの?って疑問に思う方もいると思いますが、残薬調整するのにも手間がかかるので加算にはなりますが、基本はお薬を減らしているので安くなります。

重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件

まず、大きく下記の表の2つに大きく分けられます。

重複投薬・相互作用等防止加算点数
残薬調整に係るもの以外の場合40点
残薬調整に係るものの場合30点

※1点=10円の点数からなっています。

【残薬調整に係るもの以外の場合】(40点)

処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定

・併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む)

・併用薬、飲食物との相互作用

・そのほか薬学的観点から必要と認める事項

【残薬調整に係るもの場合】(30点)

残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定

重複投薬・相互作用等防止加算のポイント

・薬剤服用歴の記録又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。 ただし、複数の項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。

・薬剤服用歴管理指導料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。

・処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴の記録に記載する。

同時に複数の処方せんを受付、複数の処方せんについて薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。

・在宅患者の場合が「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」で算定する。

同一医療機関からの処方せんに基づく場合は、当該加算は算定できない。

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レセプト摘要について

私の働く福島県で実際にあった支払基金からの返戻です。

返戻事由「重複投薬・相互作用等防止加算(残薬以外)を算定されておりますが、算定の根拠となる薬学的判断の理由について記載後再請求をお願いします。」とのことでした。残薬調整の場合でも日数が短くなればわかりますが、削除になった場合は判断できず返戻対象になるようですので、レセプト摘要にコメントが必要です。地域によっても差があるようです。

レセプト摘要の記載例

・A病院(クリニック)てB薬品が処方あり、C薬品の処方削除のため算定。

・残薬調整によりD薬品の処方削除のため算定  など

事務員の方はレセプト請求前に再度確認するのがおすすめです。

疑義解釈(Q&A)

Q 服用中の他の医療機関の薬剤、服用中のOTC、あるいはお薬手帳との重複投薬・相互作用が認められる場合も算定可能か。

A 患者が持参したお薬手帳、院内処方などにより、重複投薬などの可能性が判明した場合は、その医薬品を処方している医療機関等に照会を行い、確認の結果、重複などが認められる場合は、算定可能。

(平14.4.11 医療課事務連絡1第2節(4)問3)

(平16.3.30 医療課事務連絡1第2節(3)問3)

Q 重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複薬・相互作用等防止管理料の算定対象の範囲について、「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」とあるが、具体的にはどのような内容が含まれるのか。

A 薬剤師が薬学的観点から必要と認め、 処方医に疑義照会した上で処方が変更された場合は算定可能である。 具体的には、 アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合は対象となるが、 保険薬局に備蓄がないため処方医に疑義照会して他の医薬品に変更した場合などは当てはまらない。

(平28.3.31 医療課事務連絡「調剤」問30)

Q これまでの「重複投薬・相互作用防止加算」では、 同一医療機関の同診療科の処方箋について処方変更があったとしても算定できないとされていたが、平成 28年度診療報酬改定で見直した「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」については、同一医療機関の同一診療科から発行された処方箋であっても、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は算定可能と理解してよいか。

A 「重複投薬・相互作用等防止加算」 及び 「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」 は、 薬学的観点から必要と認められる事項により処方が変更された場合には算定可能としているので、上記の内容も含め、これまで算定できないとされていた 「薬剤の追加、 投与期間の延長」 等であっても、要件に該当するものについては算定可能である。  

(平28.3.31 医療課事務連絡「調剤」問31)

Q 単純な入力ミス等による変更(例えば、食後から食前へ)は、処方変更に該当するのか。

A 該当しない。薬歴に基づく薬学的な業務でなければ、当該加算の対象とはならない。

参考資料:保険薬局業務指針2020年度版

Q 残薬の状況の確認に伴い、残薬が相当程度認められて処方医への照会により処方変更(投与日数の短縮)が行われた場合に限り、重複投薬・相互作用等防止加算を算定できるものと解釈して差し支えないか。  

A 差し支えない。ただし、残薬の状況確認に伴う処方変更は、頻繁に発生するものではないことに留意する必要がある。  

参考資料:保険薬局業務指針2020年度版

最後に

私の働いている薬局では1日に1回ぐらいは残薬調整をしています。これは、薬剤師さんが日頃の服薬指導の際に残薬の有無を聞き取り、患者さんに残薬調整の意識付けをすることが出来ているからだと思います。そのため、患者さんは次回の受診時に自ら残薬を持って来てくれますし、一包化の残薬調整に関しては複雑な部分もあり病院でも大変なので、薬局に任せてくれる場合もあります。

残薬調整をすることにより、患者さんがどんな状況だと飲み忘れてしまうのか、余ってしまう原因が何かを知ることができると思います。そこを改善することで、より一層患者さんが薬を飲みやすくなるのではないかと思います。

また、残薬調整や重複投薬を防止することで、高度な医療の提供、無駄な医療費を削減することにも繋がります。

薬局の業務は増えますが、薬局の信頼は上がると思います。患者さんにとっても薬局にとっても有益なことだと思うので積極的に行っていけるといいかと思います。

以上になります。どうぞご参考にしていただけると嬉しいです。

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その他、まとめてほしい内容や加算、薬局のことなど記事にしてほしい内容がありましたらお気軽にご連絡よろしくお願いします。

皆さんと調剤事務員としてステップアップできればと思います。

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