こんにちは!あんでぃです。
2022年10月から開始の『医療情報・システム基盤整備体制充実加算』についてまとめてみました。
現在の保険薬局では6ヶ月に1回、マイナンバーカード持参し診療情報等の取得に同意する場合とマイナンバーカードを持参しない場合でお薬の金額が変わってきます。
今回はその加算についてです。
医療情報・システム基盤整備体制充実加算とは
医療情報・システム基盤整備体制充実加算は、オンライン資格確認の導入の原則義務化を踏まえ、オンライン資格確認を導入している保険薬局において、患者に係る十分な情報を活用して調剤を実施すること等を評価したものであり、2022年10月から新設されました。
厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において調剤した場合に、医療情報・システム基盤整備体制充実加算1として、6月に1回に限り3点を算定できます。ただし、電子資格確認により当該患者に係る診療情報を取得等した場合は、医療情報・システム基盤整備体制充実加算2として、6月に1回に限り1点を算定する。
名称 | 点数 |
---|---|
医療情報・システム基盤整備体制充実加算1 | 3点(6月に1回に限る) 令和5年12月31日まで4点 |
医療情報・システム基盤整備体制充実加算2 | 1点(6月に1回に限る) |
特例措置により、令和5年4月〜12月の間は医療情報・システム基盤整備体制充実加算1は3点→4点へ
医療情報・システム基盤整備体制充実加算の算定要件
令和4年9月5日発の医療情報・システム基盤整備体制充実加算の算定要件です。
【調剤報酬点数表に関する事項】
(11) 医療情報・システム基盤整備体制充実加算
ア 医療情報・システム基盤整備体制充実加算は、オンライン資格確認の導入の原則義務化を踏まえ、オンライン資格確認を導入している保険薬局において、患者に係る十分な情報を活用して調剤を実施すること等を評価するものであり、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において調剤した場合に、医療情報・システム基盤整備体制充実加算1として、6月に1回に限り3点を所定点数に加算する。ただし、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により当該患者に係る診療情報を取得等した場合は、医療情報・システム基盤整備体制充実加算2として、6月に1回に限り1点を算定する。
イ 医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定する保険薬局においては、以下の事項について薬局内及びホームページ等に提示し、必要に応じて患者に対して説明すること。
(イ) オンライン資格確認を行う体制を有していること。
(ロ) 当該保険薬局に処方箋を提出した患者に対し、薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して調剤を行うこと。
ウ 医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定する保険薬局においては、区分10の3服薬管理指導量の2(3)イ(イ)から(ホ)までに示す事項を参考に、患者から調剤に必要な情報を取得し、薬剤服用歴等に記載すること。
【初・再診科の施設基準等】
第1の8 医療情報・システム基盤整備体制充実加算
1 医療情報・システム基盤整備体制充実加算に関する施設基準
(1) 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。
(2) 健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認(以下「オンライン資格確認」という。)を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行うこと。
(3)次に掲げる事項について、当該保険医療機関の見やすい場所及びホームページ等に提示していること。
ア オンライン資格確認を行う体制を有していること。
イ 当該保険医療機関を受診した患者に対し、受診歴、薬剤情報、特定健診情報その他必要な診療情報を取得・活用して診療を行うこと。
2 届出に関する事項
医療情報・システム基盤整備体制充実加算の施設基準に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。
令和4年9月5日保医発0905第1号「医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱いについて」
令和5年1月31日発の医療情報・システム基盤整備体制充実加算の算定要件です。
【調剤報酬点数表に関する事項】
(11) 医療情報・システム基盤整備体制充実加算
ア〜ウ (略)
エ アにかかわらず、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において調剤した場合に、令和5年12月31日までの間に限り、医療情報・システム基盤整備体制充実加算1として6月に1回に限り4点を算定する。ただし、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により当該患者に係る診療情報を取得等した場合は、医療情報・システム基盤整備体制充実加算2として、6月に1回に限り1点を算定する。
【初・再診科の施設基準等】
第1の8 医療情報・システム基盤整備体制充実加算
1 医療情報・システム基盤整備体制充実加算に関する施設基準
(1)〜(3) (略)
(4) 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていない保険医療機関が、令和5年12月31日までにこれを開始する旨について、地方厚生(支)局長に届け出た場合は、同日までの間に限り、(1)を満たしているものとみなす。
2 届出に関する事項
(1) 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の施設基準に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。
(2) なお、(1)の届出は、別紙7の様式2の5を用いること。
(3) 令和5年4月10日までに当該届出書の提出があり、同月末までに要件審査を終え届出の受理が行われたものについては、同月1日に遡って算定することができるものとする。
保医発0131第5号令和5年1月31日「医療情報・システム基盤整備体制充実加算(略)の取扱いについて」
オンライン資格確認とは「マイナンバーカードのICチップ」、「保険証の記号番号」を使って、医療機関や薬局の窓口で、患者さんの直近の資格情報等が確認できるシステムのことです。
医療情報・システム基盤整備体制充実加算のポイント
医療情報・システム基盤整備体制充実加算のポイントになります。
算定のポイント
・電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること(オンライン請求)
・電子資格確認を行う体制を有していること(オンライン資格確認システム)
・マイナンバーカードを持参しただけでは医療情報・システム基盤整備体制充実加算2(1点)を算定できない。
・診療情報等の取得をして初めて医療情報・システム基盤整備体制充実加算2(1点)を加算できる。
・マイナンバーカードが破損して利用できない・電子証明書が失効しているなどは、医療情報・システム基盤整備体制充実加算1(3点)になる。
疑義解釈(Q&A)
Q 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算について、その施設基準としてオンライン資格確認の運用確認の運用開始日の登録を行うこととあるが、どのように登録すればよいか。
A 別紙を参照されたい。 別紙:厚生労働省ホームページ
(事務連絡令和4年9月5日 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1))
Q 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算について、オンライン資格確認を導入し、運用開始日の登録を行った上で、実際に運用を開始した日から算定可能となるのか。
A そのとおり。
(事務連絡令和4年9月5日 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1))
Q 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算について、オンライン資格確認等システムを通じて情報の取得を試みたが患者の薬剤情報等が格納されていなかった場合の算定は、どのようにすればよいか。
A 医療情報・システム基盤整備体制充実加算2を算定する。なお、薬剤服用歴等に、オンライン資格確認等システムを通じて情報の取得を試みたが患者の薬剤情報等が格納されていなかった旨を記載すること。
(事務連絡令和4年9月5日 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1))
Q 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算について、患者が薬剤情報等の取得に同意しなかった場合の算定は、どのようにすればよいか。また、患者の個人番号カードが破損等により利用できない場合や患者の個人番号カードの利用者証明用電子証明書が失効している場合の算定は、どのようにすればよいか。
A いずれの場合も、医療情報・システム基盤整備体制充実加算1を算定する。
(事務連絡令和4年9月5日 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1))
Q 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算の施設基準等において、「ホームページ等に掲示」することとされているが、具体的にはどのようなことを指すのか。
A 例えば、
・当該保険薬局のホームページへの掲載
・当該保険薬局の所属する同一グループのホームページへの掲載(この場合、当該施設基準を満たす保険薬局名が確認できるようになっている必要がある)
・自治体、地域薬剤師会等のホームページ又は広報誌への掲載
・薬局機能情報提供制度等への掲載
等が該当する。
(事務連絡令和4年9月5日 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1))
Q 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算について、当該加算が算定できないタイミングにおいても、当該加算の算定に係る薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して調剤を実施する必要があるということでよいか。
A よい。なお、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により情報を取得した場合は必ずしも当該情報の全てを薬剤服用歴等に記載する必要はないが、少なくともその旨を薬剤服用歴等に記載する必要がある。
(事務連絡令和4年9月5日 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1))
Q 調剤管理料の注6に規定する医療情報・システム基盤整備体制充実加算について、同加算1を算定する患者について、6月以内に同加算2は算定可能か。また、医療情報・システム基盤整備体制充実加算2を算定する患者について、6月以内に同加算1は算定可能か。
A いずれも不可。
(事務連絡令和4年9月5日 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1))
Q 「特掲診療科の施設基準等の一部を改正する件」(令和5年厚生労働省告示第18号)による改正後の「特掲診療科の施設基準等」(平成20年厚生労働省告示第63号)において、「令和5年12月31日までに療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令第1条に規定する電子情報処理組織の使用による請求を開始する旨の届出を行っている保険薬局については、同日までの間に限り、第15の9の5の(1)に該当するものとみなす。」とされたが、当該届出を行った保険薬局において、令和5年12月31日までに、電子情報処理組織の使用による請求が開始されていない場合について、どのように考えればよいか。
A 令和5年12月31日時点で電子情報処理組織の使用による請求が開始されていない場合については、届出時点で医療情報・システム基盤整備体制充実加算の要件を満たさなかったものとして取り扱う。
(事務連絡令和5年1月31日 令和5年4月1日からの診療報酬上の特例措置に関する疑義解釈資料の送付について)
Q 上記の問について、「電子情報処理組織の使用による請求を開始」とは、どのような状況を指すのか。
A 「保険医療機関又は保険薬局に係る光ディスク等を用いた費用の請求等に関する取扱いについて」(平成18年4月10日 保総発第0410第1号(最終改正;令和3年12月3日 保連発1203第1号))別添 電子情報処理組織等を用いた費用の請求に関する取扱要領の別添1 電子情報処理の使用による費用の請求に関する届出を審査支払機関に提出していればよい。
(事務連絡令和5年1月31日 令和5年4月1日からの診療報酬上の特例措置に関する疑義解釈資料の送付について)
最後に
今回は医療情報・システム基盤整備体制充実加算についてまとめてみました。患者さんがマイナンバーカードを持参しただけでは、医療情報・システム基盤整備体制充実加算2にはならず、診療情報等の取得に同意していただき、薬局側で取得した場合に2を算定できます。
私の働く薬局ではレセコンを登録する事務員が1・2を選ぶので事務員の方も知っていた方が良いかと思います。ですが、薬局での加算は6月に1回と頻度も少なく、マイナンバーカードを持って来てくれる患者さんも非常に少ないです。マイナンバーカードがもう少し浸透していただければいいなと個人的には思います。
来年の改定でどうなるか楽しみです。
薬局や会社、地域によっては加算への考え方や解釈が異なると思いますが、少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。薬局の加算などはよく疑義解釈などで少し変わることがありますので、最新の情報には常に目を光らせて置くようにしてください。
ご不明点やご質問がありましたら、コメント、お問い合わせからお願いします。
皆さんと調剤事務員としてステップアップできればと思います。