こんにちは!あんでぃです。
今回は服用薬剤調剤支援料1について紹介したいと思います。
服用薬剤調整支援料1とは
服用薬剤調整支援料とは平成30年4月に新設されたもので、6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものについて、処方医に対して、保険薬剤師が文書を用いて提案し、当該患者に調剤する内服薬が2種類以上減薬した場合に、月1回に限り所定点数を算定する。
名称 | 点数 |
---|---|
服用薬剤調整支援料1 | 125点 |
服用薬剤調整支援料1の算定要件
服用薬剤調整支援料1の算定要件についてです。
ア 服用薬剤調整支援料1は、内服を開始して4週間以上経過した内服薬6種類以上を保険薬局で調剤している患者に対して、当該保険薬局の保険薬剤師が、当該患者の意向を踏まえ、当該患者の服薬アドヒアランス及び副作用の可能性等を検討した上で、処方医に減薬の提案を行い、その結果、処方される内服薬が減少した場合について評価したものである。
イ 服用薬剤調整支援料1は、当該保険薬局で調剤している当該内服薬の種類数が2種類以上(うち少なくとも1種類は当該保険薬局の保険薬剤師が提案したものとする。)減少し、その状態が4週間以上継続した場合に算定する。
ウ 保険医療機関名及び保険医療機関における調剤前後の薬剤の種類数を調剤報酬明細書の摘要欄に記載すること。
エ 調剤している内服薬の種類数に屯服薬は含めない。また、当該内服薬の服用を開始して4週間以内の薬剤については、調整前の内服薬の種類数から除外する。また、調剤している内服薬と同一薬効分類の有効成分を含む配合剤及び内服薬以外の薬剤への変更を保険薬剤師が提案したことで減少した場合は、減少した種類数に含めない。
オ 内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。
カ 患者の服用する薬剤の副作用の可能性の検討等を行うに当たっては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。
キ 保険薬剤師は処方医へ提案を行う際に、減薬に係る患者の意向や提案に至るまでに検討した薬学的内容を薬剤服用歴等に記載する。また、保健医療機関から提供された処方内容の調整結果に係る情報は、薬剤服用歴等に添付する等の方法により記録・保持する。
ク 当該保険薬局で服用薬剤調整支援料1を1年以内に算定した場合においては、前回の算定に当たって減少した後の内服薬の種類数から更に2種類以上減少したときに限り、新たに算定することができる。
別添3 調剤報酬点数表に関する事項|厚生労働省
服用薬剤調整支援料1のポイント
服用薬剤調整支援料1のポイントです。
算定のポイント
・内服薬を開始して4週間以上経過した内服薬が6種類以上を保険薬局で調剤している。
・当該患者に減薬の意向がある。
・患者に服薬アドヒアランス及び副作用の可能性等を検討。
・処方医に減薬の提案を行う。
・2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続した場合に算定。
・種類数・・・屯服薬は含めない。錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類。
レセプト摘要欄のコメント記載
減薬の提案を行った年月日、保険医療機関の名称及び保険医療機関における調整前後の薬剤種類数を記載すること。
記載例:○○市立病院にて○種類から○種類に調整。○○医院にて○種類から○種類に調整。
レセプト電算処理システム用コード | 左記コードによるレセプト表示文言 |
---|---|
850100371 | 減薬の提案を行った年月日;(元号)yy“年”mm“月”dd“日” |
830100443 | 保険医療機関名及び調整前後の種類数;✱✱✱✱✱✱ |
レセプト請求時にレセプト摘要欄へのコメントを忘れずに記載するようにしましょう。
服用薬剤調整支援料1と2の違いについて
服用薬剤調整支援料には、「服用薬剤調整支援料1」と「服用薬剤調整支援料2」があります。
下記に違いについてまとめてみました。
服用薬剤調整支援料1 | 服用薬剤調整支援料2 | |
---|---|---|
点数 | 125点 | 110点(実績あり)、90点(実績なし) |
算定間隔 | 月1回 | 3月に1回 |
算定要件 | ・当該患者の意向。 ・服用期間4週間以上、内服薬が6種類以上。 ・2種類以上減薬し、4週間以上継続。 ・結果が必要。 | ・患者若しくはその家族等の求め。 ・複数の保険医療機関から6種類以上。 ・提案による算定。 |
服用薬剤調整支援料2について詳しくはこちらをご覧ください。
疑義解釈(Q&A)
Q 服用薬剤調整支援料に規定する内服薬に、浸煎薬及び湯薬は含まれないと理解して良いか。
A 貴見のとおり
(平30.3.30 医療課事務連絡「調剤」問7)
Q 服用薬剤調整支援料について、内服薬の種類数は2種類以上同時に減少する必要があるか。同時でなくてもよい場合、内服薬の種類数の減少はいつを起点とすればよいか。
A 同時でなくてもよい。保険薬剤師が減薬の提案を行った日以降に、内服薬の種類が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続した場合に算定する。
(平30.3.30 医療課事務連絡「調剤」問8)
Q 服用薬剤調整支援料について、「保健医療機関から提供された処方内容の調整結果に係る情報は、薬剤服用歴の記録に添付する等の方法により記録・保持する。」となっているが、医療機関から情報が得られるのか。
A 保険薬局において服用薬剤調整支援料を算定する場合、基本的に保険医療機関は薬剤総合評価調整管理料の算定要件を満たすことになり、保健医療機関から情報提供がなされることが想定される。(参考:薬剤総合評価調整管理料の算定要件(抜粋))保険薬局からの提案を踏まえて、処方内容の評価を行い、処方内容を調整した場合には、その結果について当該保険薬局に情報提供を行う。
(平30.3.30 医療課事務連絡「調剤」問9)
最後に
今回は服用薬剤調整支援料1についてまとめてみました。
服用薬剤調整支援料1は、服用中のお薬が減薬し、その状態が4週間以上継続する「結果」が求められる点数です。私の働く薬局でもここ1年間で算定していなかったです。それに処方医に減薬を提案したのに減薬されて来なかったら少しショックですよね。
2022年の調剤報酬改定で新たに「調剤管理加算」が追加になりました。この加算を算定するには「服用薬剤調整支援料」を1回以上算定する必要があります。簡単に算定できる加算ではないですが、算定できた時の恩恵は非常に大きいと思います。
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皆さんと調剤事務員としてステップアップできればと思います。